白内障の治療
白内障は眼の中の水晶体というレンズが濁り、眼の奥に光が届きにくくなる疾患です。基本は加齢によるものが多く加齢とともに有病率も高くなります。
白内障の症状としては
- 視界がかすむ
- 視力が落ちる
- まぶしい
- 明るさで見え方が変わる
などその他濁り方により様々な見え方の変化が生じることがあります。
加齢以外にも先天性、アトピー性、外傷性、ステロイド薬など薬剤性などの原因による白内障もあります。
白内障の治療
白内障による見えにくさが自覚されるようになれば手術による治療を検討します。
当院では日帰り白内障手術を行っておりますのでまずは症状についてご相談ください。
白内障に対する点眼薬というものも存在しますが、この点眼は進行を抑制するもので濁った水晶体をきれいにする効果はないため視力の回復の効果は期待できません。
白内障の手術は大半は点眼麻酔やテノン嚢下麻酔といった局所麻酔で行い術中の痛みもほとんど感じることはありません。手術時間も10分程度です。術後は院内で休んでいただき、問題がなければ帰宅することができます。
翌日含めて術後1週間は短い間隔で通院が必要であり、その後も定期的に術後経過を確認するために診察が必要になります。
1週間程度は顔が洗えないなどの制限はありますが、術翌日から多くは通常の生活を送ることができます。
白内障手術は眼科手術の中でも安全な手術に入りますが、白内障やほかの合併症の状態によっては非常に難しいケースも存在し、手術時間が1時間程度要することもあります。1%以下のまれな確率ではありますが後嚢破損やチン小帯の断裂などで眼内レンズが挿入できないケースや、術後の細菌感染などで再手術が必要になったり視機能が大きく低下することもあります。ご不明な点や不安点などは医師にご相談ください。
NGENUITY 3D ビジュアルシステムについて
当院では、白内障手術に 「NGENUITY(エヌジェニュイティ)3D ビジュアルシステム」 を導入しています。
このシステムは、手術用の高精細カメラで映した映像を55インチの大型モニターに立体的に表示することで、従来の顕微鏡よりも 広く・深く・鮮明に 手術部位を映し出せる最新技術です。
画像の色や明るさのカスタマイズなども可能な為、術者はより細かい部分まで正確に確認しながら手術を行うことができます。また顕微鏡をのぞく必要がないため、より無理のない姿勢での手術が可能となります。さらに従来の顕微鏡に比べて少ない光量での手術が行えることで術中の網膜の光毒性の軽減が可能になるなど、様々な面で手術の安全性の向上につながります。
また手術室スタッフ全員が同じ映像を共有することで、チーム全体で患者さまをしっかりサポートできる環境になっています。
なお、眼内レンズを決定する際に用いる検査装置であるARGOSとの連携により術前に計測したデータをもとにした精緻な術中ガイダンスシステムも本装置に搭載されているため、乱視矯正用の眼内レンズの挿入も従来より高い精度で行うことが可能となりました。
白内障手術は人生の質に直結する大切な治療です。当院では、最新の設備とチーム体制を活かし、より安全で、安心いただける手術環境をご提供いたします。
(※2025年8月現在、世田谷区内でこのシステムを導入している眼科は当院のみとのことです。)
